子育ての成功3
三つ目は、子どもといい関係ー信頼関係ーが築けていることです
どうして子育てゴールデンタイムといえるような、子どもの方から親とのかかわりを積極的に求める時期があるのでしょうか。
私は、親子で「宝物の時間」といえるような、ステキな時間を共有することで、生涯にわたる親子の絆ー信頼関係のベースーをつくるためだと思うのです。つまり、そのために神様があたえてくれた時間だと。
そして、この信頼関係ーわが子とのいい関係ーが築けていることこそ、三つ目の子育ての成功だと考えています。 では、わが子とのいい関係ー信頼関係ーが築けている状態とは何かといいますと、一言で言えば、「わが子のことをこのうえなく大切に思っている」という親の思いが、わが子に伝わっている状態です。そして、それに子どもが応えようとしている状態と言えると思います。言いかえれば、子どもが「親は私のことを愛してくれている」と信じている状態であり、ラポールができている状態です。
信頼関係が築けていれば、子どもはだいたい言うことを聞いてくれます。多少無理難題を言っても、まあ「お母さん(お父さん)が言うんだから」と受け入れてくれます。
逆に、信頼関係が築けていないと、素直にいうことを聞かないばかりか、少しの言葉じりをとらえて反発・反抗したりします。善意で行った言葉すら逆に取ったりして、少しも落ち着けません。子どもからバカにされたり、軽んじられたりすることすらあります。親子とも家庭がやすらぎの場でなくなります。
こうしてみると、わが子と「いい関係」すなわち「信頼関係」が築けていることが、「子育ての成功」といえるでしょう。
それには、親自身、手をかけ言葉をかけ愛情をかけてかかわっていくことが第一です。子育てゴールデンタイムのうちに、たくさんの「宝物のような思い出」をつくり、生涯にわたる親子の信頼関係のベースー絆ーをつくることです。親に愛されていることが実感としてわかれば、子どもは素直に親の言うことを聞くようになります。もちろん、その方が家庭での居心地は、親も子も格段によくなります。
子どもは、生涯のパートナーです。そのわが子といい関係を築けていることが、三つ目の子育ての成功だと考えます。そして、これまで書いてきた「3つがそろってはじめて子育ての成功といえる」と確信しています。 手っ取り早く一つ目の子育ての成功のみを願い、塾や習い事のプロ教師に子育てをアウトソーシングしている親が少なくありません。
子育ては「プロセス」です。その「プロセス」に親自らが参加しなければ、子どもといい関係を築くことも、子どもとの楽しい思い出をつくることもかないません。おそらくは、親が望んだ「よい子」に育てることー一つ目の子育ての成功ーもむずかしいでしょう。自ら積極的に子育てに参加すると決意した親のみが、子育てに成功できるのです。